タングラム法律事務所

乗っ取りアカウントから詐欺DMが届くときの対応と本人の責任

乗っ取りアカウントから詐欺DMが届くときの対応と本人の責任

乗っ取りアカウントから詐欺DMが届くときの対応と本人の責任

乗っ取りアカウントから詐欺DMが届くときの対応と本人の責任

乗っ取りアカウントから詐欺DMが届くときの対応と本人の責任

「あなたのアカウントから、お金を貸してほしいというDMが来たけど大丈夫?」――知人からのこうした連絡で、アカウントの乗っ取りに気づく方は少なくありません。ご本人の名前と写真のまま、電子マネーの購入を頼むメッセージや、投資グループへの勧誘が次々と送られていきます。

自分のアカウントのせいで誰かが被害に遭ったらどうしよう、責任を問われるのではないか、と不安になるのは当然です。この記事では、詐欺DMが送られているときにご本人がすぐにすべきこと、アカウントの持ち主の法的な責任の考え方、そして被害を止めるためのアカウント削除について解説します。

乗っ取りアカウントから送られる詐欺DMの典型

手口よくある文面の例
金銭・電子マネーの要求「急ぎで支払いが必要になった。コンビニでギフトカードを買ってきてほしい」
投資・副業の勧誘「この投資で利益が出た。グループに招待するね」
認証コードの要求「間違えてあなたの番号にコードを送った。届いた番号を教えて」
偽サイトへの誘導「この投票に協力して」「この写真あなた?」とリンクを送る

とくに認証コードを求める手口は、受け取った知人のアカウントまで乗っ取られる原因になり、被害が連鎖していきます。

気づいたらすぐにすべき4つのこと

  1. 周囲への注意喚起:別のSNS、LINE、メール、電話などで、アカウントが乗っ取られたこと、そのアカウントからのDMに応じず、リンクも開かないよう伝えます。
  2. 証拠の保存:知人から転送してもらった詐欺DMの画面、乗っ取り後のプロフィールや投稿を、日時がわかる形で保存します。
  3. 運営会社への通報と復旧の試み:公式の復旧手続を試し、通報や問い合わせの記録を残します。
  4. 警察への相談:無断ログインは不正アクセス禁止法違反となる可能性があり、同法では不正アクセス行為について3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金が定められています(2025年6月施行の刑法等改正により「懲役」は「拘禁刑」に改められました)。相談の日時と窓口を控えておきます。

アカウントの持ち主は責任を負うのか

詐欺DMを送っているのは、アカウントを乗っ取った第三者です。民法上の損害賠償責任(不法行為責任)は、原則として故意又は過失によって他人に損害を与えた者が負うものとされています(民法709条)。乗っ取りの被害者であるご本人が、第三者の詐欺行為について当然に責任を負うものではないと考えられます。

もっとも、乗っ取りに気づいた後も周囲への注意喚起などをせず放置することは、望ましいことではありません。被害の拡大を防ぐ行動をとったという記録は、ご自身を守ることにもつながります。

知人が実際にお金を振り込んだり電子マネーを送ったりしてしまった場合は、すぐに警察と、振込先の金融機関又は電子マネーの発行会社に連絡するよう伝えてください。対応が早いほど、被害の回復の可能性が残ります。

被害の連鎖を防ぐために見直したいこと

乗っ取りのきっかけは、偽のログイン画面への入力、認証コードの転送、パスワードの使い回しなどさまざまです。ご自身のほかのアカウントを守り、被害の連鎖を止めるため、次の点を見直してください。

  • 同じパスワードを使っているメールアカウントやほかのSNSのパスワードを変更する
  • メールアカウント自体が乗っ取られていないか、ログイン履歴や転送設定を確認する
  • 残っているアカウントには二段階認証を設定する
  • 知人にも、認証コードを求めるDMには絶対に応じないよう伝える

とくに登録メールアドレスのアカウントが乗っ取られていると、SNS以外のサービスにも被害が広がるおそれがあります。早めの確認をお勧めします。

取り戻せないなら削除で被害を止める

公式の手続で取り戻せず、詐欺DMが送られ続けている場合には、アカウントそのものを消すことで被害を止める方法があります。運営会社を相手方として、裁判所に削除仮処分を申し立て、アカウントの削除を命じてもらう手続です。

仮処分では、ご本人がそのアカウントの開設者であることと、被害が今も続いていて急ぐ必要があることを示します。詐欺DMが送られ続けているという事情は、まさに被害が続いていることを示す重要な事実です。知人から寄せられた連絡や転送されたDMは、そのまま大切な証拠になります。

手続の要件や流れは乗っ取りアカウントが取り戻せないときの削除仮処分で詳しく解説しています。媒体ごとの違いは掲示板・SNS別の削除・投稿者特定のページもご参照ください。

犯人を突き止めて責任を問えるか

乗っ取った人物に損害賠償を請求したいと考える方もいます。制度上は、運営会社にログイン時の情報の開示を求める手続がありますが(ログイン型SNSの投稿者を特定する「特定発信者情報」開示請求参照)、乗っ取りは海外からのアクセスや匿名化の仕組みを使ったものが多く、特定に至らない事案が少なくありません。

時間と費用をかけても手詰まりになりやすいことから、当事務所では、まず削除によって被害の拡大を止めることに集中する方針をお勧めしています。

よくある質問

知人が詐欺DMでお金を払ってしまいました。私が弁償しなければなりませんか?

詐欺を行ったのはアカウントを乗っ取った第三者であり、アカウントの持ち主が当然に弁償の責任を負うものではないと考えられます。知人には、警察と振込先の金融機関等に早急に連絡するよう伝えてください。個別の事情によって判断が異なる場合もあるため、心配な場合は弁護士にご相談ください。

乗っ取られたことを周囲に知らせるだけで十分ですか?

注意喚起は被害の拡大を防ぐうえで大切ですが、アカウントが残っている限り、知らせが届かない人に詐欺DMが送られ続けるおそれがあります。取り戻せない場合は、アカウントの削除を検討してください。

警察に被害届を出せば、アカウントは止まりますか?

刑事手続は犯人の処罰を目的とするもので、アカウントの削除や停止が当然に実現するわけではありません。削除を求めるには、運営会社に対する別の手続が必要です。

まとめ

乗っ取られたアカウントから詐欺DMが送られているときは、周囲への注意喚起、証拠の保存、運営会社への通報、警察への相談をすぐに行ってください。アカウントの持ち主が第三者の詐欺について当然に責任を負うものではないと考えられますが、被害を止めるための行動は早いほど効果があります。

取り戻せないまま詐欺DMが続く場合は、削除仮処分によってアカウントを消すことが、被害を止める現実的な方法です。横浜のタングラム法律事務所では、オンラインで全国からのご相談をお受けしています。

詐欺DMに使われているアカウントの削除手続・費用の詳細は、乗っ取られた・ログインできないアカウントの削除請求のページをご覧ください。

乗っ取られたアカウントから詐欺DMが送られてお困りの方へ

横浜のタングラム法律事務所では、X・Instagram等のSNSアカウントの削除請求や、インターネット上の権利侵害への対応に継続的に取り組んでいます。被害を止めるためのアカウント削除について、手続の見通しと費用をご説明します。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。具体的な事案についてのご判断は、弁護士にご相談ください。

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