不貞慰謝料を請求されたら弁護士に依頼すべき?費用とメリットを解説
不貞慰謝料を請求されたら弁護士に依頼すべき?費用とメリットを解説
ある日突然、配偶者の不倫相手や、そのご家族から慰謝料を請求する内容証明が届く——不貞慰謝料を「請求された側」の多くは、金額の大きさに驚き、これから何が起こるのか分からず強い不安を抱えます。すぐに弁護士に相談したほうがよいのか、それとも自分で対応できるのか、そもそも弁護士費用がどのくらいかかるのか、判断に迷う方は少なくありません。
この記事では、不貞慰謝料を請求された方が弁護士に依頼するメリットと、費用の目安、依頼を検討すべきタイミングを、横浜の弁護士の視点から整理して解説します。費用倒れを防ぐ考え方や自分で対応する場合との違いにも触れますので、依頼するかどうかを判断する材料としてお役立てください。
不貞慰謝料を請求された側が弁護士に依頼する主なメリット
不貞慰謝料は、不貞行為をした配偶者と不倫相手が共同で負う損害賠償責任です。民法709条(不法行為による損害賠償)と710条(財産以外の損害の賠償)を根拠とし、両名が加害者となる場合は民法719条により連帯して責任を負うと定められています。もっとも、請求されたからといって、請求された金額をそのまま支払わなければならないわけではありません。
弁護士に依頼する最大のメリットは、相手方の主張を法的に検証し、支払うべき金額を適正な水準に近づけられる可能性がある点です。具体的には次のような利点があります。
- 減額交渉を任せられる:婚姻関係の破綻、不貞の期間・回数、既婚者と知らなかった事情など、減額につながる要素を法的に整理して主張できます。
- 相手方と直接やり取りせずに済む:窓口を弁護士に一本化することで、精神的な負担が大きく軽くなり、感情的な対立の激化も避けやすくなります。
- 示談書の条件面で不利益を防げる:求償権の扱いや接触禁止条項、清算条項の範囲など、後々のトラブルにつながりやすい条項を確認・調整できます。
- 訴訟に発展した場合も一貫して対応できる:交渉が決裂して裁判になっても、そのまま代理人として手続きを引き継げます。
弁護士に依頼するとできる具体的な対応
請求された側の代理人として、弁護士はまず相手方の請求内容と証拠を精査し、不貞行為の事実関係や請求額の妥当性を検討します。そのうえで、減額の根拠となる事情を主張し、相手方と交渉します。
特に重要になりやすいのが求償権の調整です。示談の段階で求償権を放棄するのか維持するのかによって、最終的な負担は変わり得ます。弁護士は依頼者にとって不利にならないよう、示談書の文言を確認しながら交渉を進めます。
すでに相手方に弁護士が就いているケースでは、法的な主張の応酬になり、本人だけで対等に交渉するのは容易ではありません。相手に代理人が就いた場合の対応については、不貞慰謝料の相手方に弁護士がついたときの対処法もあわせてご覧ください。
弁護士費用の目安と内訳
弁護士費用は事務所ごとに体系が異なりますが、一般的には着手金・報酬金・実費・日当で構成されます。請求された側(減額を目指す側)の費用について、公開されている情報から見られる目安は次のとおりです。あくまで傾向であり、実際の金額は事案や事務所によって幅があります。
| 費目 | 目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 着手金 | 15〜30万円程度 | 依頼時に支払う費用。結果にかかわらず原則返還されない。 |
| 報酬金 | 減額できた金額の10〜20%程度 | 成果に応じて支払う費用。請求額と実際の支払額との差額を基準とする例が多い。 |
| 実費 | 数千円〜数万円程度 | 郵送費・交通費・訴訟時の印紙代など。訴訟に移行すると増える傾向。 |
| 日当 | 1回あたり数万円程度(発生する場合) | 遠方の裁判所への出廷など、移動を伴う場合に加算されることがある。 |
上記はあくまで一般的な目安です。着手金を抑える代わりに報酬金の割合を高く設定する事務所もあり、費用体系は一律ではありません。依頼前に見積もりを取り、総額を確認することが重要です。
費用倒れを防ぐための考え方
請求された側で特に注意したいのが「費用倒れ」です。慰謝料を請求する側は解決によって金銭を得られますが、請求された側は支払う立場であり、そこに弁護士費用が上乗せされます。そのため、費用を支払ってでも依頼する価値があるかを見極める必要があります。
判断の目安は、弁護士費用を差し引いても、依頼によって減額できる見込み額のほうが大きいかどうかです。請求額が高額で、婚姻関係の破綻や証拠不十分といった減額要素が見込める場合は、依頼の効果が費用を上回りやすいといえます。請求額が相場と比べて妥当かどうかについては、不貞慰謝料が高すぎる?相場との比較と減額交渉のポイントも参考になります。
なお、自動車保険などに付帯する弁護士費用特約が使えるかどうかも、費用負担を左右します。詳しくは不貞慰謝料請求に弁護士費用特約は使えるかで解説しています。
弁護士に依頼するタイミング
依頼を検討するタイミングは、早ければ早いほど選択肢が広く残ります。特に次の場面では、対応を誤ると不利になりやすいため、早めの相談が有効です。
内容証明が届いた段階
請求書や内容証明が届いた直後は、まだ何も回答しておらず、最も交渉の余地が大きい段階です。慌てて相手に連絡し、不貞を認める発言をしたり支払いを約束したりすると、後から撤回するのが難しくなります。届いた書面への対応は、不貞慰謝料の内容証明が届いたときの対応で詳しく整理しています。
訴訟を起こされた段階
交渉がまとまらず訴状が届いた場合は、指定された期限までに答弁書を提出し、期日に対応する必要があります。放置すると相手の主張どおりの判決が出るおそれがあるため、訴状を受け取った時点での相談は特に重要です。
また、不貞に基づく損害賠償請求権には民法724条の消滅時効があり、被害者が損害および加害者を知った時から3年、不貞行為の時から20年で時効にかかります。時効の可能性がある場合は、安易に支払いに応じる前に、時効を主張できないか検討する余地があります。
自分で対応する場合との違い・限界
弁護士に依頼せず自分で対応することも可能で、費用を抑えられる点はメリットです。ただし、相手方に代理人が就いている場合は法的な主張で対抗しにくく、減額の根拠を示せないまま金額に合意してしまうリスクがあります。示談書の清算条項や求償権の扱いを見落とし、後日の求償や追加請求で不利益を被ることもあります。
特に、夜職・パパ活といった関係で「既婚者とは知らなかった」と主張できる余地がある事案など、事情によって減額の見込みが変わるケースでは、専門的な検討が結果を左右します。こうした請求された側の対応については、夜職・パパ活の不倫慰謝料請求への対応のページもご参照ください。ご自身で対応するか依頼するかを決める前に、一度弁護士の見立てを聞いておくと、判断の精度が高まります。
よくある質問(FAQ)
不貞慰謝料を請求された側でも、弁護士に依頼する意味はありますか。
請求された側にも弁護士に依頼する意味は十分にあります。請求額はあくまで相手方の主張であり、婚姻関係がすでに破綻していた、不貞の期間や回数が限定的である、既婚者と知らなかったことに相当の理由があるといった事情があれば減額が認められる場合があります。弁護士はこうした主張を法的に整理して相手方と交渉し、妥当な水準での解決を目指せます。求償権や示談書の条件面でも不利益を防ぎやすくなります。
弁護士費用はどのくらいかかりますか。費用倒れが心配です。
費用体系は事務所により異なりますが、着手金は15〜30万円程度、報酬金は減額できた金額に対して10〜20%程度を目安とする例が多く見られます。これに実費や日当が加わることがあります。請求された側は支払う立場であるため、費用倒れを避けるには、依頼前に減額の見込みと総費用を確認することが大切です。
自分で少し交渉してから弁護士に依頼しても大丈夫ですか。
できるだけ早い段階で相談することをおすすめします。自分で交渉する過程で不貞を認める発言をしたり、金額に安易に合意したりすると、後から覆すことが難しくなる場合があるためです。特に示談書に署名すると清算条項により後日の争いが制限されることがあります。内容証明が届いた直後など早い段階で相談したほうが、取り得る選択肢が広く残ります。
弁護士費用特約は不貞慰謝料を請求された場合にも使えますか。
自動車保険などに付帯する弁護士費用特約は対象範囲が約款で定められており、不貞慰謝料のような一般的な民事トラブルが対象外の商品もあります。使えるかは加入している特約の内容により異なるため、保険証券や約款を確認し、保険会社に問い合わせることが確実です。
まとめ
不貞慰謝料を請求された場合でも、請求額をそのまま受け入れる必要はありません。婚姻関係の破綻や不貞の態様、既婚者と知らなかった事情など、減額につながる要素があるかを検討することが第一歩です。弁護士に依頼すれば、相手方との交渉を任せて精神的負担を軽くしつつ、求償権や示談書の条件面まで含めて不利益を防ぎながら、妥当な水準での解決を目指せます。
費用は着手金・報酬金・実費などで構成され、請求された側は支払う立場であるからこそ、費用倒れにならないよう総費用と減額見込みのバランスを確認することが大切です。内容証明や訴状が届いた直後ほど選択肢は広く残るため、迷ったら早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
不貞慰謝料を請求され、対応にお悩みの方へ
タングラム法律事務所では、不貞慰謝料請求の事案について豊富な実績を有しております。請求された側の減額交渉から示談書の確認、訴訟対応まで、横浜の弁護士が一貫してサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。
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